宝石コラム Vol.1

月に一度の更新を目標に宝石のお話をしていきます。

記念すべき第一回、4月という事もありダイヤモンドについて。

ダイヤモンドが硬い事やハンマーで叩くと割れてしまう事、地球の奥深くマントルのキンバーライトで生成されることはご存じの方も多いでしょう。

今回は逸話になったダイヤモンドを産出した地、滅亡した王国ゴルコンダについてご紹介します。

有名なビッグホールのあるキンバリーは1867年に鉱山が発見され、キンバリーの地からデビアス社が誕生しました。

その大きなゴールドラッシュが訪れるより、約350年前の1518年に現在のインド、デカン地方に建国されました。

この地こそ9世紀ごろに不幸の逸話を多く持つブルーダイヤモンド「ホープダイヤモンド」が発見された地なのです。

また、ゴルコンダで採掘されるダイヤモンドは「Type Ⅱa」と呼ばれる窒素をほとんど含まない透明度の高いダイヤモンドなのです。

当時は現在のような鑑定機器は無く、「Type Ⅱa」という概念すらありませんでしたが、探検家のコロンブスは多くの「Type Ⅱa」ダイヤモンドをコレクションしていたと言われております。

そのコレクションの中の一つにゴルコンダで採掘された「リージェントダイヤモンド」がありました。

コロンブスの目利きについては別の機会にご紹介します。

ゴルコンダは1687年にムガル帝国の侵攻により滅亡します。

僅か、169年の歴史ですがゴルコンダはダイヤモンド、芸術、建造物で栄えたそうです。

ゴルコンダは戦争で生まれ、内乱が続き、侵攻によって滅びる争いの多い国でした。

現在も残る要塞の強固な姿からゴルコンダの軍事力や資金力が大きかったことが窺い知れます。

コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、Bobsodiumだと推定されます(著作権の主張に基づく), CC BY-SA 2.5 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5>, ウィキメディア・コモンズ経由で

争いの多いゴルコンダの歴史が不幸な事であったのか現代の私たちに知る術はありませんが、ホープダイヤモンド誕生の地という点が想像を掻き立ててしまいますね。

(ホープダイヤモンドの不幸エピソードも脚色されたものが多くありますが)

次回は5月にエメラルドについてご紹介させて頂きます(予定)

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