どんなネックレスでしょう?

どんなネックレスでしょう?

先日、BS放送でイギリス人女流作家、アガサ・クリスティー(1890〜1976)のエルキュール・ポアロシリーズをたまたま見ました。

その中でこんなセリフがありました。

主人公はブロンドの若い女性です。

彼女の親友が溜め息まじりにいうのです。

“貴方は美人で大金持ちでその上こんな素晴らしいネックレスを持っている。このネックレスだってこの立派なお屋敷よりお高いんでしょ。”

さてさっそくですが質問です。

このネックレス、どんなネックレスだと思われますか?ダイヤでしょうか。エメラルドでしょうか。

正解は、センター5ミリのベビーパールネックレスです。

お屋敷は広いです。20〜30室どころではないお城です。そのお城より高価なベビーパール!

“ナイルに死す”Death on the Nileは1937年発表の推理小説ですが、舞台はちょうど1930年くらいです。今から100年も経っていない頃のお話です。

真珠はそのくらい希少なものでした。どうしてそんなに高価だったのでしょう。

真珠貝1万個を開いてみて5ミリの真珠が一個出てきたら御の字だったそうです。5ミリの真珠のネック1本作るのに70個以上必要です。

70万個の真珠貝を海底10メートル以上潜ってから、採ってきて開いて、真珠を探して、穴を開けて、やっと1本のネックレスが作れたわけです。どんなに高価だったかは想像がつきますね。

今5ミリのネックレスはどんなにお高くても100万円位でしょうか。

それを可能にしたのが御木本幸吉はじめ日本の養殖真珠の発明です。

明治40年、1907年のことです。

わたしたちの大好きな真珠の話をこれからスタッフ交代で書こうと思います。

お読みいただけたら嬉しいです。

次は東京オリンピックと真珠のお話(の予定)です。

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